
過去の授賞事例から、選考委員が抜粋してご紹介!

~政官民で協働した空家活用シングルマザーシェアハウスの実践~
NPO 法人全国ひとり親居住支援機構、豊島区住宅課、川瀬さなえ(豊島区議)

私が抜粋しました!
実行委員 / 東京都瑞穂町議会議員
川島靖弘
東京都豊島区は23区内で最も高い空き家率となっている。一方、住宅要配慮者に向けた居住支援は即座に有効な打ち手がなく、住宅セーフティネット法などの既存の制度も十分には機能していない。
また、居住支援は国も地方自治体も高齢者に重きを置いており、子育て世帯や若年者の居住支援には光が当たっていない。母子家庭や社会的養護出身の若者のための居住支援を行っているNPOはあるが、適切な空き家と巡り会うことが難しく、また賃貸交渉で断られることもあり、横展開をしていくことが難しい。
ひとり親当事者である川瀬さなえ豊島区議会議員が、地域の母子世帯へのヒアリングなど現状から見える「都市型居住支援」の必要性を、令和3年第4回定例会一般質問にて豊島区の空き家問題と母子世帯の居住問題をかけ合わせ政策提言をした。
令和3年4月より、シェアハウスのセーフティネット住宅の基準が「ひとり親世帯向けシェアハウス」も適用されるよう基準が改定されたことで、母子世帯の居住支援としてシェアハウスがシングルマザーの社会的自立、生活基盤の施策の可能性となり、消滅可能性都市と謳われた豊島区にとって女性や子育て施策は中長期的に税収としてアウトカムに繋がり得ることからも、誰かと支えあいながら誰かに見守られながら生活ができる居住支援の構築を区に求めた。
豊島区は空き家の削減と福祉・公的目的の利活用を図るために、空き家の持ち主(以下、家主)とNPOをマッチングし改修補助金を支給する事業を行っていたが、本プロジェクトに合わせシェアハウス等の住居にも制度を拡張した。
また他自治体に類を見ないのは、交渉から契約に至るまで、住宅課職員が率先して活動し、常に同席し伴走するところである。まず、住宅課職員が家主とNPOを引き合わせる前に、NPOの活動内容や人となりを家主に説明する。区役所の職員が事前に説明することによって、家主は安心感を得ることができる。居住支援を行うNPOは従前に活動を理解してもらっている状況で家主と会うことができ、より確実に物件を借りることができる。こうした住宅課による能動的な活動によって家主もNPOも双方にメリットがでる。
母子家庭居住支援の中間支援組織である「NPO法人全国ひとり親居住支援機構」が家主から空き家を借り上げ、豊島区の共同
居住型住宅の改修費助成事業を活用して若年女性・母子家庭向けのシェアハウスに改修をする。運営は豊島区内で活動実績のある
母子ハウス運営事業者(シングルズキッズ株式会社)に委託。また、豊島区内の妊産婦支援をしているNPO法人ピッコラーレ、若者支援を行っているNPO法人サンカクシャなど、複数の支援団体と連携して、支援対象者の住居として活用できる。複数の支援団体が関わることで、リスクを分散し、柔軟な空き家活用をすることが可能になっている点も本プロジェクトの特徴である。
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