2026年6月29日、第12回LM会員定例会「閉じた議会から開かれた議会に〜改革実践報告 つくば市議会編〜」を開催しました。テーマは「閉じた議会から開かれた議会に〜改革実践報告 つくば市議会編〜」。議会改革の実践を学ぼうと、50名を超えるお申し込みをいただきました。
報告者は、元つくば市議会議員の小野泰宏さんです。小野さんは6期24年にわたり議員を務め、議会運営委員会委員長、予算決算委員会委員長、議会改革に関する調査特別委員会委員長などを歴任されました。つくば市議会が議会改革度ランキングを全国249位(2019年)から35位(2024年)へと引き上げる原動力となった方です。

人口増加を続ける「科学の街」つくば市で、市議会はどのようにその存在価値を再定義し、進化を遂げてきたのか。24年間にわたり現場の最前線で改革を牽引してきた小野さんに、その軌跡と今後の展望についてお話を伺いました。
つくば市は、つくばエクスプレスの開業から20年間で人口が約6万人増加し、予算も2倍以上に拡大するなど、急速な成長を遂げました。そのような中で、小野さんは「旧来の議会像では、新しい市民の期待に応えられない」「時代から取り残されてしまう」と強い危機感を抱いたそうです。それまでは、6か町村合併に伴う議員定数の大幅削減(91人→28人)や議員報酬の削減など、内向きな議論に終始していました。しかし、それでは新たな移住者が急増するまちの課題解決にはつながりません。
そこで小野さんは、改革の土台として議会基本条例の制定を据えました。特に意識したのは、「全会派で共有した『みんなが乗れる船』を設計すること」です。3年間の助走期間を経て、泥臭くも戦略的に「合意形成の階段」を一段ずつ上ることに注力しました。保守系ベテラン議員と市民派会派との丁寧な対話を重ね、双方のバランスを取りながら、条例案の立案演習では班に分かれて議論し、全議員による1日がかりの研修も実施しました。
講演では、条例の検証、決算と予算の連携、議会DX、議会カフェの運営、BCPの活用、議会局への移行など、多岐にわたる取り組みについてお話しいただきました。オンライン一般質問の取り組みなど、参加者にとって初めて知る先進事例も紹介され、大変学びの多い内容となりました。

質疑応答では、「議会カフェの周知方法や若者の参加状況」「オンライン方式による一般質問の具体的な運用方法」「市民に議会改革の必要性や有用性を伝える際のポイント」「全会一致にこだわった理由」など、多くの質問が寄せられました。小野さんは一つひとつ丁寧に答えながら、「閉じた世界での対立を乗り越え、住民との対話を重んじる議会へ。そして、テクノロジーとシステマチックな仕組みを武器に、行政と住民をつなぐ地域経営の要として進化を続けていきたい」と語られました。
議会というある意味で独特な世界で、悩みを抱えている方も多くいらっしゃると思います。そのような中で、今回の小野さんのお話は、多くの議会関係者にとって大きな示唆を与えるものでした。次回はどの議会の実践を学ぶことができるのでしょうか。今からとても楽しみです。


■参考)つくば市議会WEBサイト

